会議は好きですか?無意味な会議をする会社は危機的です。

日産 驚異の会議 改革の10年が生み落としたノウハウ

日産 驚異の会議 改革の10年が生み落としたノウハウ

 

 

会議とは意思決定を目標にしています。会議がまともに機能していない会社は、それこそ危機的なのでしょう。

  • 的確
  • 迅速
  • 労力

 

上記三点を最大限効率的にこなせる会議こそ、「良い会議」なんだろうと思います。その会議で100%の結論(採用ないしは却下)を得られるために、障害となるものをトコトン排除しました。それが日産の会議改革のようです。そして何より、それ自体(=会議で必ず結論を出すこと)をルールにしてしまうことです。その上で、良い話し合いができるように問題をきっちり構造化させます。日産で使われているルールは全部で11が紹介されています(本書参照)が、視覚化させるための「ペイオフマトリクス」は便利です。あのポストイットの会社「3M」のサイトでも公開されている手法なので、確認してみてください。要は、実現性と実効性という2つの尺度でそれぞれの解決案を評価し、視覚化します。

 

ペイオフマトリックスを使った集まったアイデアの整理方法|ミーティングソリューション™

http://www.mmm.co.jp/office/post_it/meetingsolution/methods/img/methods09_figure07_pc.png

 

これはとても大切な点なのですが、会議を「だらだら」したものにせず、職位を気にするような「政治性」をもたせないこと。さらには、愚痴のぶつけ合いに堕落させないために、各自の意見を要領よく吐き出させ、きちんとしたルールのもと整理していく。この一連の作業をやった上で、最後に、意思決定者が会議に加わり、結論を下す。本書によると、決定者がいないで議論をした方が、意見を出し尽くせるようです。

 

会議をテーマにした本書を読んでいてつくづく思ったのは、会議があくまで手段であることです。ゆえに、どんな目標を立て、どのような戦略を打ち出すのか、それを考えるのは決して会議の役割ではありません。目標は経営トップが定め、どこに社内資源を集中させていくか、そんな「戦略」までは経営幹部の仕事です。戦略は、会議の様々なテクニックやツールで立案するものではないようです。しかし、戦略を仕上げるための具体化プロセスには、社員や組織を動員するために、それぞれの会議が起点とならなければなりません。絵に描いた餅は、所詮、絵であって餅にはなりえないからです。すなわち、戦略を落とし込むというところの重要性は、ある意味、戦略以上なのかもしれません。個人的には、会議を通じて、経営幹部の決めた戦略がその会社に向いているか否かも分かるような気がします。会議でどうしても決し得ないのなら、戦略そのものを見直すか、トップの交代すら必要なのかもしれません。