化粧品は「効いてはいけない」、これは法律です。

9割の人が間違っている化粧品「効きめ」の真実

9割の人が間違っている化粧品「効きめ」の真実

 

 

現代の日本の成長産業となった化粧品ですが、法律的には「効いてはいけない」製品です。なぜなら、「人体に対する作用が緩和なもの」と決められているからです。角質層までの作用であると制限され、皮膚の角質層とはわずか一週間で剥がれ落ちます。だからおのずと作用は穏やかになるのです。では、その化粧品とはそもそも何のために用いるのでしょうか。概括的に言えば、水分と油分のバランスを整えて肌の乾燥を防ぐものです。皮膚には、バリア機能という最も大切な役割があります。異物や細菌の侵入や、体内水分の蒸発を防ぎ、内臓や神経や血管を守っています。その機能を補うものが化粧品なのです。

 

皮膚バリア機能

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物価安定と中央集権に挑んだ豊臣政権は、「米」貨幣に抱きついてしまった

経済で読み解く豊臣秀吉 東アジアの貿易メカニズムを「貨幣制度」から検証する

経済で読み解く豊臣秀吉 東アジアの貿易メカニズムを「貨幣制度」から検証する

 

 

織田・豊臣の時代は、「安土桃山時代」とひと括りにされがちです。そして江戸時代になってようやく、新しい政治体制や法治体系が出来上がったため、ひとつの区切りになりました。しかし、本書はそこに切り込んでいます。実は、豊臣政権の時代に大きな転換がなされ、江戸時代に継承されていたことがある、と。それゆえに、著者の同シリーズは、わざわざ、「豊臣秀吉」と「織田信長」を分けて、出版されています。なかなかもって鋭いという風に、感心させられました。

 

豊臣政権の政策 - 歴史まとめ.net

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「金本位制」がなぜ元凶なのか、敗戦の悲劇を繰り返さないためにも理解しよう

経済で読み解く大東亜戦争

経済で読み解く大東亜戦争

 

 

上念氏の著書第三弾は大東亜戦争。いわゆる、なぜ日本は第二次世界大戦を仕掛ける側に回ってしまい、愚かな結果を招いてしまったのか。それを戦前の不況から読み解くという著書です。そもそも国民国家が戦争に陥ってしまうのはどういう時でしょうか。一つ目は、戦争によって経済効果を期待してしまうこと。二つ目は、本土が戦場にならないと信じられること。三つ目は、戦争に動員できる労働力が余っていること。四つ目は、戦争の資金源;国債発行・増税・通貨増刷・政府経費削減の中で「通貨増刷」が機能したこと。それには前提条件があって、デフレ状態にあること。逆に言えば、これらのいずれにも当てはまらない場合、戦争は解決手段として選ばれないのです。

 

戦前の経済状況を見ていくと、二度の世界大戦をもたらした誘引として、「金本位制」というシステムの欠陥に気付かされます。信仰とも言うべき、この制度は、通貨を発行する各国政府への「信用」を補填する重しとして導入されていました。

 

マンガでわかる経済入門 | man@bowまなぼう

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近代日本の夜明けは、激しい葛藤と模索の中で始まりました。

 

上念司氏のあっけらかんとした人柄に惹かれ、手に取った本書のシリーズ。こちらは前回に続く、2冊目です。明治維新はなぜ起こったか。本書の結論としては、特に必要はなかったという意外なものでした。なぜなら、明治維新以降で実施された政策は、江戸幕府でもやれた政策ばかりだと言うのです。たとえば、地租改正、貨幣制度、対外開国、国民皆兵など、後二者は私が加えました。そんな視点で見直すと、明治政府が江戸幕府の基礎の上で「衣替え」しただけの官僚国家だったのにもうなずけます。何度かのチャンスがあり、江戸幕府みずからが改革で延命を図ることは十分可能だったそうです。

 

しかし、経済という体の上にかぶした衣服、すなわち政治体制を変えるのは決して容易なことではありません。もともと脆弱(中央政府が全国的な徴税権をもたない状態)だった幕藩体制は、デフレ体質を有していました。各藩は藩札を発行して、経済を活性化させようとしますが、米に依存した藩財政や各藩任せのインフレ整備、さらには信用取引の停滞など、経済を拡大させる誘引がほぼほぼなかったようです。

 

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デフレ脱却に挑んだのは、織田信長とて同じだった

経済で読み解く織田信長 「貨幣量」の変化から宗教と戦争の関係を考察する

経済で読み解く織田信長 「貨幣量」の変化から宗教と戦争の関係を考察する

 

 

室町時代は、三代将軍・足利義満の死後(全盛期の後)、中国との国交が断絶されてしまいます。その結果、明銭が入ってこなくなりました。貨幣の供給が減り、小氷河期の天候不良が重なり、経済はデフレ基調を強めます。その立証(推測)方法は本書に譲るとして、室町時代の経済の主役は寺社勢力でした。中国で教えを学んだ僧侶がそのコネクションとともに始めたのが交易だったからです。ちなみに、一回の船が積んだ銭貨は、当時のGDPの10%以上だったそうです。この規模のマネタリーベースの増え方は、実は、今日の日銀・黒田総裁がぶっ放す「黒田バズーカ」と同じ規模です。これらの銭貨が、寺社経由で世の中に供給されていました。

 

渡来銭

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がんに感謝できれば、正しく理解できているかもしれない

がんで助かる人、助からない人 専門医がどうしても伝えたかった「分かれ目」

がんで助かる人、助からない人 専門医がどうしても伝えたかった「分かれ目」

 

 

がんについての皆さんの関心は非常に高いと思われます。何しろ、今日の死亡原因の上位を占めているのですから。しかし、その「がん」に関しては、トンデモ本があまりに多く、何が正しいのかさっぱり分かりません。根拠が不十分でありながら、医師・学者の資格をもって好き放題書いているとしか思えないものが散見されます。その観点から考えると、本書のスタンスは非常に公正だと思われます。がんを部位別に正しく理解しようという提案です。

 

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自然の変化に対処する人類の歴史

 

 歴史とは、人の手による記録によって書き継がれます。1500年もの昔から、ここ日本では、歴史書の編纂がなされ、当時の知識人による記録(日記)が始まりました。しかし、科学技術の進んだ今日、世界的な調査があちらこちらで進んでいます。その代表例が「古気候学」です。太陽活動に着目し、太陽放射の微細な変化がいかに地球全体の気候システムに影響を与えてきたかが明らかになっています。その証拠は、樹木の年輪やグリーンランド・南極等の万年雪(から採集した氷床コア)から見つかりました。

 

  • オールト極小期:1040年頃から1080年頃までの40年間。8世紀に太陽活動が活発化していた後の小康期。
  • ウォルフ極小期:1280年頃から1350年頃までの70年間。長く続いた中世温暖期が終焉した。
  • シュペーラー極小期:1420年頃から1530年頃までの110年間。全体的な小氷期の最初。
  • マウンダー極小期:1645年頃から1715年頃までの70年間。小氷期の中で最低温を記録。
  • ダルトン極小期:1790年頃から1820年頃までの30年間。

 

藤原定家が見たオーロラ、巨大磁気嵐パターン解明の手がかりに | マイナビニュース

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