千葉を訪ね歩く(後編)

新発見! 千葉

新発見! 千葉

 

 

cancheer.hatenadiary.jp

 

さて後編です。

野田市の醤油製造は、学生時代に覚えさせられました。そこを本拠とする「キッコーマン」も今日ではグローバル企業として存在感を増しています。売上4000億円で、すでに海外売上が国内を超えています。醤油だけで見ても、同じようです。

 

業績ハイライト | キッコーマン

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そんなキッコーマンが誕生した地が、現在の野田市です。16世紀に同地で始まっていた醤油づくりは、1917年に会社が合同し、「野田醤油株式会社」を誕生させていました。これが後のキッコーマンの前身となっています。ちなみに千葉には、キッコーマン以外に、ヤマサ醤油ヒゲタ醤油などもあります。日本の醤油生産数量の3割を占めるのが千葉県です。

 

千葉県・野田 | キッコーマン ホームページ

http://www.kikkoman.co.jp/library/soyworld/museum/area/image_v2/img_noda_02.jpg

 

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地層的な研究対象の宝庫、それが日本列島

 

あまり知られていませんが、日本書紀には地震の記録があります。西暦684年11月29日、土佐では田畑12平方キロメートルが海中に没し、津波が到来していたそうです。これは、いわゆる南海トラフ巨大地震の最初の記録と言えます。

 

【 地震大国・日本 】日本最古の地震の記録から見る地震の日本史 | 歴人マガジン

https://rekijin.com/wp-content/uploads/2016/07/Nihonshoki_jindai_kan_pages.jpg

 

M8.25クラスの巨大地震だった「白鳳地震」と命名され、高知大学の調査チームが高知県土佐市にM9クラスの超大型津波の痕跡を発見しています。それから5年後の689年には、M8.3の「貞観地震」という古代最高規模の巨大地震も発生しています。溺死者だけで1000名を越えるという恐ろしい天災です。

 

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中小企業の見方:決算書の抜け道を押さえておこう

社長のための「中小企業の決算書」読み方・活かし方

社長のための「中小企業の決算書」読み方・活かし方

 

 

決算書を見ただけでは分からない。それが中小企業の経営です。たとえば、「P/L」「B/S」ともに、だ。流動比率を算出して、それが「300%」という超優良企業の水準だったとしても、その翌期内に倒産しえます。しかし、これを見通す方法があります。それは「B/S」を2期分並べて現金の増減を見ることです。このような見方は、銀行員なら当たり前のように行っています。そのポイントを5つ挙げましょう。

 

  1. まず、何よりも本業の利益(営業利益)。
  2. その事業の成長性にも注目する。
  3. 中身のない資産を除いて、債務超過の有無を見る。
  4. 粉飾が難しい資金繰り(現金の動き)を把握。
  5. もちろん銀行ゆえに、返済能力を調査。

 

銀行員は「中小企業の決算書」をどう読んでいるのか – 日本実業出版社

https://www.njg.co.jp/wp-content/uploads/2015/06/30dcb08ba6099e0a3459e9ff404064cc.jpg

 

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世界情勢の読み方:グローバリゼーションの視点から。

ビジネスパーソンのための近現代史の読み方

ビジネスパーソンのための近現代史の読み方

 

 

非常に骨太のテーマで、かつ膨大な情報や知識を整理してくれている本書。だが、読みにくいこと、この上ない。そんな文句を言いつつも、全部読み通して、現代がいかに成り立っているかをあらためて学ぶことができました。細かく見ると、読み解けない変化が、大きな歴史の枠組みの中で見ると、すっきりしたりします。たとえば、オバマからトランプにかけての米国ですが、一見「何が何だか分からない」状態です。しかし、世界的なグローバリゼーションがその修正期に入っているという文脈の中で眺めると、極めて単純な構図でした。

 

そもそも、「グローバリゼーション」とはこれまで三度あったようです。記憶に新しい三度目は、英・サッチャー首相、米・レーガン大統領の頃に始まります。英米が自国の利益のために推進した強気の政策は、国内問題で内向きだった両国を大きく変え、最後には冷戦構造を瓦解させるまでに至りました。そんな英米が40年の時を経て、「ブレクジット」や「トランプ」を生み出し、路線変更を強烈に印象づけました。

 

コラム:英EU離脱、新自由主義時代の終焉か=河野龍太郎氏 | ロイター

https://s3.reutersmedia.net/resources/r/?m=02&d=20160706&t=2&i=1144337205&w=&fh=&fw=&ll=644&pl=429&sq=&r=LYNXNPEC6517Q

 

 

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進化し続ける「ヒートテック」

雑学科学読本 身のまわりのすごい技術大百科

雑学科学読本 身のまわりのすごい技術大百科

 

 

本書にて、「すごい技術」を紹介するのは、わずかに数ページを割けばすみますが、その原理を発見・発明するまでには膨大な時間と労力がかかります。中には、それに一生を捧げた人もいたはずです。今日、私たちが目にすることのできる、あらゆる人工物はそうした技術から成り立っているのです。それゆえに、本書の作者が、何を選んだかというのに、逆に興味がわきました。最も分かりやすい技術としては、ユニクロの「ヒートテック」でしょう。東レと共同開発した大ヒット商品です。

 

 

「ヒートテック」は、なぜ暖かいの? - ウェザーニュース

https://smtgvs.weathernews.jp/s/topics/img/201802/201802090115_box_img1_A.jpg?1518491852

 

簡単に言えば、「ヒートテック」は主に、レーヨンで発熱し、アクリルで保温することによって、肌着などの生地を暖かくしている機能性衣料です。その外側にはポリエステルが配されていて、吸い取った汗を外に運んで蒸発されています。三層構造なのです。

 

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スーパー素材の「ゴアテックス」は万能ではない。その技術を知って、使いこなそう

雑学科学読本 身のまわりのすごい技術大百科

雑学科学読本 身のまわりのすごい技術大百科

 

 

ゴアテックス。その名前を聞いたことがあるでしょうか。「濡れない」「漏れない」という相矛盾する性質を備える素材のことです。簡単に言えば、この素材には無数の孔(あな)があり、液体の水は通さないが、気体の水(水蒸気)は通します。なぜなら、分子レベルで見た時の水は、クラスター(結合体)を形成しており、水蒸気よりはるかに大きい塊になっているからです。

 

ゴアテックスと独自構造で雨やムレに強く快適に履けるリーガルの春夏の新作シューズ|@DIME アットダイム

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ヒストリー | GORE-TEX

この素材は、「ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)」というポリマーに関係しています。その可能性を信じ、デュポン社を退社した二人が研究を続けていました。そして彼らの息子がそれを引き受け、「延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)」を発明。こうして今日のゴアテックスが誕生するのです。

 

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首都圏の主要路線に見る、東京の拡張性(後編)

 

前編最後にも触れましたが、東急線のブランド戦略は突出しています。関西の沿線開発で生まれたビジネスモデル(阪急・小林一三)。これを、あの渋沢栄一がバックに立った五島慶太が首都圏に導入しました。そして次々と鉄道企業を買収し、終戦間際には「大東急」という大勢力を築くに至りました。戦後「大東急」は解体されましたが、これに対抗しよとしたのが、不動産業者の鉄道参入でした。それが堤一家の率いた西武グループです。田園都市に習った沿線開発の乗り出し、しかも箱根での小田急との激突は、箱根山戦争と呼ばれる激しいものでした。

 

president.jp

日本が経済成長からバブルに向かうなか、堤兄弟それぞれの企業グループは目覚ましい発展を遂げる。清二氏の西武百貨店など流通部門は、70年に義明氏がトップとなった西武グループ本体から独立。ファッション専門店を集めた「パルコ」は新しい消費文化を創出し、ホテル、不動産開発など100社以上を傘下に持つセゾングループに成長していく。

 

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