日本文学の、古典ベストセラーで笑ってみよう

日本人なら知っておきたい日本文学 ヤマトタケルから兼好まで、人物で読む古典

日本人なら知っておきたい日本文学 ヤマトタケルから兼好まで、人物で読む古典

 

 

日本人の知らない日本語』シリーズで堪能しましたが、このお二人の組み合わせは最強です。同書(マンガ)では、冒頭で登場している清少納言も、最高です。『枕草子』にて、世の中をバッサバッサ切るという彼女の感性は、みんなが言いたかったことを代弁してくれているようなものです。炎上を恐れず、こうやって、みんなの溜飲を下げるというヒット作家の法則は、古今東西同じようです。男の貴族から、「あれは女として、どーなのよ」と言われていたみたいですが、まったくもって意に介さず、逆に相手を蔑むあたりが、強い女をイメージできて素晴らしいです。

 

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今風で、世間をぶった切り(清少納言

 

 

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汚れに対処すること、それが現代人の進化の証です

 

私たちが嫌いな「汚れ」。その正体は何でしょうか。そしてなぜ私たちは汚れを嫌うのか。人類が汚れに対処するようになったのははるか昔のことですが、実際に石鹸の使用が始まったとされるのが、古代メソポタミア・エジプト・ローマなどの時代です。不思議なのは、いつ、どのようにして、汚れを落とす原理に気づいたか、です。体が汚れてくれば、細菌が増殖するようになります。衣服を身につけるようになれば、その汚れに悩まされることにもなります。匂い、痒みが出て、「不快」になると水浴びをしたりもしたのでしょうが、そこまでは他の動物と同じです。人間はさらに進化し、エジプトの壁画には洗濯の動作が描かれるようにまでなりました。パピルスにもその記録が残されており、「天然ソーダに動植物の脂肪を加えて加熱する方法」だったそうです。

(参照:https://www.i-kahaku.jp/magazine/backnumber/49/04.html

 

日本石鹸洗剤工業会 石けん洗剤知識 洗濯

http://jsda.org/w/06_clage/ca233/osen1-1.png

 

 

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日本の独自性はどこから生まれてきたのか

 

日本史を、世界との関わりの中で概括的にとらえる、その大切さがよく分かる一冊です。隣国に大国・中国を抱きつつ、近くも遠くない距離を保つことができ、日本らしさをみずからコントロールし続けることができました。具体的には、中華文明の恩恵を積極的に享受しつつ、その冊封体制に完全に組み込まれることなく、みずからの主体性で国を進化させてきました。しかし国としてはずっと未成熟な状態であったがゆえに、各地で自警団が発生し、やがてはそれが侍という武装集団になりました。戦国時代には、西欧の鉄砲に学び、たちまちそれを国産化してしまうだけの技術力を有し、幕末に至るまで、海外の植民地にならずにすんできました。明治期には近代化を進めてアジア唯一の列強国となり、太平洋戦争の敗戦後には経済大国にまでのし上がりました。

 

こうした日本の歩みは、世界の影響にさらされながら、一度として征服されるなかった日本らしいものです。しかも、日本の市場は意外なまでに大きく、同じイギリスと比べると歴然です。1700年頃のイギリス人はわずか675万人(今日では6600万人)に対して、日本は2900万人(同12000万人)。当時の首都・江戸だけで同時代比較しても、世界有数の大都市でした。

 

 

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化粧品に関する誤解とは、メーカーが誤解させている可能性があります

ウソをつく化粧品

ウソをつく化粧品

 

 

嘘八百がまかり通る、それが化粧品業界の恐ろしいところなのだそうです。たとえば、「天然成分」という表現。天然だろうが、化学物質だろうが、発がん性物質になってしまうものは危険です。また「植物エキス」と書かれていても、それを皮膚に浸透させるためには、皮膚のバリア(油分)を壊して、内部に浸透させなければなりません。そもそも皮膚は吸収器官ではないので、ここのバリアを無理やり壊すべきではないのです。

 

さらに2001年の薬事法改正は、「化粧品」に関して全成分表示が義務付けられたのですが、その実、化粧品より効果(刺激)の強い「医薬部外品」については、102種類の「表示指定成分」以外は記載する必要がなくなりました。もう少し具体的に言いましょう。医薬部外品は、ポジティブリストに入っている成分を使うことになるのですが、ネガティブリストに入っている成分は使えません。それら以外の成分は、自由に使って、しかも表示をする義務がないのです。行政もその第三類の成分の安全性をチェックすることはありません。ゆえにメーカーは、逆に、目新しい成分を使用して新製品を作りやすくなったわけです。本書では、これを事実上の規制緩和と称しています。

  

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現代中国のことを、まとめてみると。。。

図解でわかる 14歳から知っておきたい中国

図解でわかる 14歳から知っておきたい中国

 

 

中国は今や、世界第二位の経済大国です。アメリカの6割に迫る経済規模ですが、この差は為替如何でさらに縮まっている可能性があります。なにしろ、車の販売台数で言えばアメリカを大きく上回り、年間3000万台に達する勢いです。鉄鋼生産、エネルギー消費すべてにおいてすでに世界一位。そんな大国が12兆ドルのGDPに対し、輸出・輸入でそれぞれ2兆ドルを占めるわけですから、世界への影響力も巨大です。また、省別で見ても、国家レベルを越える省が出現。たとえば、広東省ひとつで1兆ドルに近づく規模は、世界の先進国に並び立つほどです。ちなみに、日本は5兆ドル弱。もはや中国全体と争うまでもないですね。

 

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中国省別GDP

 

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肌の研究とスキンケア化粧品との関係

トコトンやさしい化粧品の本 (B&Tブックス―今日からモノ知りシリーズ)

トコトンやさしい化粧品の本 (B&Tブックス―今日からモノ知りシリーズ)

 

 

化粧品を考える前に、肌について考えてみましょう。肌とは皮膚とほぼほぼ同義です。ただし、「医薬品等適正広告基準」には、皮膚と肌が分けて書かれています。たとえば皮膚には潤いを与えますが、肌にはツヤを与えます。しかし、両者の区分け方は記述されていません。その構造を語る時には、「皮膚」が用いられます。三層構造で、上から表皮・真皮・皮下組織です。外界の刺激に向き合う表皮はわずか0.2mmの厚さ、6週間で新しい細胞に置き換わっていきます。

 

皮膚の構造と感覚|六訂版 家庭医学大全科 - gooヘルスケア

https://health.xgoo.jp/medical/img/new/medical/jintai/jin040.jpg?version=2018101201&

 

皮膚は、外界からの機械的刺激(摩擦)に耐えたり、異物(病原菌)の侵入を防いだりしています。その他、高温・低音にもさらされますし、紫外線への対処もかなり厄介です。そして何より皮膚は、体内の水分が外に出ないようにみずからを膜で包んでいます。これが皮脂です。もちろん、その他、様々な刺激を脳に伝える感覚器官の役割も担っています。これだけ挙げても、人体最大の臓器・皮膚の重要性が分かってもらえることでしょう。

 

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中国経済史から見た、中華帝国没落の原因を探る

近代中国史 (ちくま新書)

近代中国史 (ちくま新書)

 

 

国史の書籍というと、辞典的なものか、偏見にあふれたものが多いのですが、本書は良書です。しかも経済の視点から、王朝の交代や民衆の生活を見ていこうとする試みです。政治史とは違い、人口の推移を見ながら、その背景にある経済を読み解いているのが非常に興味深いです。たとえば、各王朝末期の混乱期から人口が急減するのは(戦乱や殺戮のせいなので)何となく分かるとして、基本的には各時代の食糧増産の具合が人口規模に現れていると見ることができます。たとえば宋・元の時代、人口は急増します。この頃、江南デルタで水田・稲作が急拡大したからです。南から莫大な物資が北に向かうというのは、新しい流れです。大運河が造営されたり、食糧増産から嗜好品生産へと一部で転換が進んだり、さらに元の時代になると、先進的な通貨政策が登場し、社会の商業化は一気に進むかに見えました。しかし、気候が寒冷化する14世紀には、それもまた挫折してしまいます。糧食に困らない時代背景があって初めて、各種商品の生産と取引が活発になるからです。

 

读史看未来,中国人口的怕与爱_《新财富》杂志手机站点

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