コンテンツ・マーケティングと、「その時歴史が動いた」【名番組紹介】

歴史愛好家(?)として、大好きな番組だ。わざわざこれを見るたびに、オンデマンドを契約しているし、JALに乗ったときは欠かさずこれを見ていた。そう言えば、iTunesで初めて単曲の音楽を購入したのも、この番組のファンになっていたからだ。

 

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数ある回の中でも、戦国時代や幕末明治の二大動乱期は頻繁に取り上げられている。時代が動くとき、ヒーローが出現し、我々の注目を集める。日本人は歴史を学ばないという言われ方をするが、実はそうでもない。書籍や番組、研究機関などで、相当濃密かつ細部に渡る検証がなされている。エンタメの世界でも、歴史は、今まで以上に重要なコンテンツになっていくと確信している。

 

さて、なぜ、本稿でこのテーマを取り上げたか。仕事がらみで、コンテンツ(企画)をいかに面白くするかを考えていたからだ。歴史テーマがなぜ面白いか。実は、誰もが知っている5割のこと、3割の意外な事実、そして2割の人情味ある括り。これらがまとまっているため、誰もが安心して楽しめる、それでいて、「見てよかった」と思える。それがこの番組であり、優秀なコンテンツに共通していることだと気付いたからだ。

 

 

まさに、ピタッときたNHKの「その時歴史が動いた」。あ~あ、「知っている知っている、関ヶ原の戦いだろう」というところから始まって、実は関ヶ原の最後の場面で、家康をヒヤッとさせたことが何だか知っている?と聞かれれば、誰でも興味をもつだろう。それは、「島津の退き口」と呼ばれる正面突破の退却劇だった。追い込まれた島津隊は、逃げる西軍、追う東軍という絶体絶命の最終章で、大博打をした。それが、家康本陣めがけて突進し、実は脇口から逃げるという戦術だった。これが功を奏したのか、退却は成功、そして薩摩に戻った後は戦闘態勢を整えつつ、江戸幕府との和平交渉を行い、薩摩77万石を守り切ったのである。

 

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関ヶ原古戦場 - 某の日々是好日

 

島津家は、秀吉や家康と対峙しながら、一歩も引かず、独立を守り通し、最後には明治の夜明けを主導する役割を果たす。こうした紹介を聞きながら、「その時歴史が動いた」の谷川さんの音楽が流れると、もはや心が奪われてしまうのである。

 

コンテンツ・マーケティングの話になると、今の世の中には、三つの最優良コンテンツがある。くだらない芸能人のゴシップではない。一つは、健康。誰もが気になる究極のコンテンツだ。二つ目は、能率向上。オフィスで働いたり、仕事をしていたら、誰でも上手になりたいとか、出世したいとか、少なくとも同僚にバカにされたくないなどの気持ちが芽生えるはずだ。だから、この手のタイトルには、多くの人が心を動かされてしまう。そして三つ目が歴史だ。上掲した理由で、みんなの記憶・知識の中にも歴史の断片があるはず。そこから引っ掛けて、知識欲をくすぐる。

 

もちろん、それ以外にも色々あるとは思うが、ビジネス(マーケティング)の視点で考えたとき、使いやすいのはこの三つ。自分自身も、情報収集では、この三つのテーマで必ず目を留めるようにしている。本稿のテーマは、非常に面白くて、奥が深いので、また回をあらためて記載したい。