価値とは、演出するものであっていい

食べて来た。

 

テレ東『ガイアの夜明け』で紹介されていたデニーズのパンケーキ。世の中、経済ニュース番組を見て、スイーツを食べに行く人も、ちょっと珍しいかもしれないと苦笑しつつ、昼食代わりに美味しくいただいた。

 

6段重ねのパンケーキ「タワーパンケーキ」と「マンゴーパンケーキ」をデニーズで食べてきました - GIGAZINE

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マンゴーの濃厚な甘さとホカホカで香ばしいパンケーキが至福の組み合わせ。パンケーキは柔らかいものの、やや水分が少なく、甘さは控えめです。マンゴーソースや冷たいアイスクリームが加わり、なかなかボリューム感があります。小豆とマンゴーの組み合わせは意外に悪くはなく、マンゴーやマンゴーソースの酸味・クリーム・小豆のコクと旨味が良く合っていました。

 

まさに、この紹介の通り。あれも、これもという味が、舌を通じて体全身に染み渡った。デザート扱いとは言いつつ、私には昼食となり、しかもこれで税込600円。ところが、『ガイア』の紹介はちょっと違った。

 

 

日経スペシャル ガイアの夜明け : テレビ東京

 05月13日放送 第615回

高くても売れる! ~今こそ客を呼ぶ魅力商品とは~

大手ファミレスのデニーズは、増税*1を前提に、4月1日からメニューの8割を刷新した。すると、390円だったパンケーキも、高さを倍にして500円にした新メニューが売り上げを大きく伸ばしていた。この状況を受け、デニーズはパンケーキを更にバージョンアップさせる方針だ。

 

その他、デパ地下など食に関わる事例を合わせて紹介し、高額商品の売れ行きが好調との説明だった。ただ、パンケーキの感想だけで言うなら、私的には、単純に「お得感たっぷり」という印象。身銭を叩く消費者はバカではない。どこで買っても同じ製品では、安値のお店を探し出し、わずかに浮かせたお金で、手に届く範囲での「お得な」贅沢を楽しみたい。そう考えるのは、ごく一般的な消費者心理ではないか。

 

この傾向は、ずっと続いている。いわゆるメリハリのきいた消費とでも言おうか。一部メディアでは、経済政策の転換によって社会が明るくなった結果だとも言われるが、一般的な大衆消費者レベルには、ごく普遍的なことだと思う。「ちょっとした贅沢」と検索すれば、デフレ時代から、いくらでもその事例を見ることができるからだ。むしろ、事業者側が、価格破壊ばかりを考える状態から脱し、価値商品の追究へと舵を切ったとも見ることができる。

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手の届く範囲でのちょっとした贅沢を、お得感をもって出せれば、売れる。ポイントは、コストを抑えうる意外な組合せを見出し、見た目の価値を消費者の想定以上に引き上げられるか否かだ。

 

価値の演出力。

 

もしかすると、日本は今、未来のグローバル競争に向けて、このキーワードを充電中なのかもしれない。

 

 

*1:消費税の引き上げ