「毎日」のことなのに、美肌の知識を語れますか
紀元前2500年頃のメソポタミア文明で文字の記載された粘土板が発見されています。そこには石鹸作りのレシピ(「油1 に対して植物の灰5.5 」)が記録されていたそうです。石鹸は、油汚れを囲み、水にも上手くなじみます。これで油汚れは水の中に小さな粒となって分散していくことになります。この原理が基本になって様々な肌洗浄石鹸が開発されていますが、ポイントは次の三点です。
- 肌に不要なものだけ落とす。
- 最後は「洗浄料」も落とす。
- 天然保湿因子・細胞間資質は残す。
強く洗うと、肌を傷めてしまいますし、洗った後の肌は乾燥しやすくなります。こうした点に注意しながらの開発になります。
そもそも「美肌」とは何でしょうか。肌のキメ(肌理)が細かく、表面が滑らかで潤いがある、さらに皮膚のハリも見逃せません。そんな肌の表面積は1.6平方メートル、人体最大の「臓器」と言われます。皮膚の機能は非常に多岐に渡ります。
- 体内の水分を逃さない。
- 外部の刺激から生体を守る。
- 菌やウィルスに対しても防御機構を持つ。
- 体温を調節する。
- 外部環境の変化を受容するセンサー機能を担う。
「30代美肌の定義」今のケアで大丈夫?|ジープラス化粧品 社長コラム
では美しい肌の条件を上げてみましたので、ご自分の肌をチェックしてみて下さい。
1 うるおいがある
2 なめらか
3 ハリがある
4 弾力がある
5 血色がいい
6 ツヤがある
ではこの皮膚を悩ませる要素とは何でしょう。
- 紫外線と肌の色には関係性。
- シワとタルミは老化によって起こる同一線上にある現象。
- 皮脂量は多すぎても少なすぎてもダメ。
- ストレス反応で、間接的に皮膚は傷む。
- 近年増え続けているアトピー性皮膚炎。
どんなしわも根本的な原因は、もちろん「皮膚の老化」。 真皮層にある「コラーゲン」や「弾力線維(エラスチン)」が加齢により、量が減少したり変性することにより、肌の弾力が失われてきてしまいます。しかし、最も大きな外的要因は何といっても「紫外線」です。紫外線は、いわゆる「日焼け」を起こすものと思われがちですが、それだけではなく、「光老化」というものを起こすのです。
多機能な肌ゆえに、私たちはその肌の状態が気になります。できる限り「美しい状態」、すなわち肌本来の機能がしっかり発揮できるように様々なケアを求められます。具体的には:
- 肌表面の汚れを落として、その他の対策を打ちやすくする。
- 保湿対策
- 皮膚のバリア機能修復対策。
- 紫外線対策。
- シミ・ソバカスを抑えるなどの美白対策。
- アンチエージングで抗老化対策。
- 皮脂抑制や抗菌などの吹き出物対策。
- アロマなどが血液を経由して薬理効果を発揮。
- 肌の血液循環を良くする入浴等。
女性の化粧でよく聞く「ファンデーション」。一般的には、「顔全体に塗り、シミ・そばかす・
【第1回】乳化と乳化剤 | 技術・研究情報 | 太陽化学株式会社
ところで、その「乳化」とは何でしょうか。水と油のように、互いに溶け合わない液体同士を分散・融合させた状態にすることを指します。
水と油を機械で強力にかき混ぜるだけでもエマルションらしきものは作れます。でも、かき混ぜるのを止めたとたん、水と油の界面張力がはたらいてあっという間に元通り。それを防ぐために使われるのが乳化剤(界面活性剤)です。乳化剤によって界面張力を弱められた水や油は、性質の違う液体に混ぜこまれたままの状態をかなり長い間保つことができるのです。
エマルジョン(乳化した状態)は熱力学的に不安定で、長期間放置すると①クリーミング(浮き上がり)、②凝集、③合一の現象が起きて分離してしまいます。特に、乳液はその傾向が強く、作るのは大変です。化粧水もエマルジョンで、少量の油分を界面活性剤で可溶化した透明液状のものです。油分を増やす時には、油の粒を小さくして光が散乱しないようにしているそうです。化粧水には様々な誤解が流布されていますが、たとえばノンアルコールとか鉱物油フリーとかが登場すると、アルコールや鉱物油は肌に悪いと勘違いしてしまいます。実際、大多数の人にとっては、アルコールが悪いわけではありません。鉱物油も、名称とは異なり、石油の一部で植物由来です。また逆に、「天然由来」がいつも安全ではありません。たとえば、レモン由来のソラレンには光毒性の物質が含まれています。
化粧品等では、科学知識に疎い女性が対象とされてしまいがちなので、正しいものを見極めるのは大変だと言われます。最低限の知識と、正確な理解に努めるようにしましょう。