人の動かし方とは、「活かし方」

日本一カンタンな人の動かし方 (アスカビジネス)

日本一カンタンな人の動かし方 (アスカビジネス)

  • 作者: かんべみのり,小早川優子
  • 出版社/メーカー: 明日香出版社
  • 発売日: 2016/10/14
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「人を動かす」と言うのは、ちょっと乱暴ですが、周囲に協力してもらうための態度・接し方と考えるといいでしょう。仕事は、自分でひとりでできることなど大して多くはありません。だったら最初から、彼らを巻き込むのが重要です。上司はもちろん、同僚、部下いずれも同じです。まず、相手の話を聞くステップを設けましょう。テーマを投げかけ、相手の意見を聞いたり、相談したり、初期の仕事としてやることのリスト化を任せたりしながら、相手をこちらの同志にしてしまう手があります。

 

 

同志とは志を同じくすることです。しかし、仕事によっては「同志」とまではいかないことの方が多いでしょう。その時は、相手の利害を示唆しておく必要があります。メリットがある、あるいはデメリットを避けるなど、押し付けや脅しにならない程度に示唆することが必要です。逆に、「素直に頼む」「心から御礼を言う」などの方が、スマートな時もあります。相手に気持ちよく仕事をしてもらうこと、これが一番大切なことなのです。まぁ、こういった事柄は双方向の立場で大切なことです。人を動かす方も、動かされる方も、組織の中でお互いがうまくやっていくための処方箋です。その基礎には、相手のことを慮れる心の余裕をもつことだと思います。

 

toyokeizai.net

 

本書では、会議について要領よくまとまっていますので、引用しておきましょう。

  1. 会議では徹底的にムダをなくす。
    人数を絞り、時間を限り、ゴールを明確にして終了する。
  2. 会議には、意思決定・情報共有・アイデア出し等の種類があります。それぞれの目的に合わせた運営上の工夫が必須です。
  3. 会議の「問題児」を放置せず、しっかりと対峙する。通常の会議では発言者が偏りがちで、冷めた人間やクレーマーもいます。
  4. ホワイトボードやビジュアル資料は非常に重要です。会議の目的を書いたり、理解を共通にしたり、意見を平等に並べたり。
  5. 会議は、現場で何かをするためのスタート地点です。何を、誰が、いつまでにやるのか。どのような制約があるのか等を明確に。

 

 

本書はタイトルにもある通り、「カンタン」な内容なので、リーダー初心者が読むには最適かもしれません。「ちょっとした言葉遣いや気遣いが、結果を大きく左右する」などは当然のことですが、現場では意外となされていません。特に、アンガーマネジメントなどと言われる、怒りのコントロールは、リーダーにとって不可欠な技術です。自分の怒りをうまくいなし、相手の怒りや不安などの感情的な表出(コントロール不備)は優しく受け止めてあげましょう。最後の締めくくりは、次のひと言です。

 

(ここ日本では)人はどう生きたっていい。でも仕事という機能集団の中では、目的・目標を同一にし、お互いがムダをなくしていくことに、協力し合うべきです。そのために、「自分を殺して(=抑えて)、相手を活かす」ことも含めて、リーダーの心得としなければなりません。