流れ星に三つのお願いをしよう

地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」

地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」

 

 

ビジネスマンとしての能力で必要なこと。それは、突然流れ星を見た時、さっと三つのお願いができるか否かです。わずかな時間に表現できて、それが本質を的確に示している、それでいて個々のチカラでは如何ともしがたいという己の課題を明確に把握している。だからこそ、できるのが三つのお願いです。

 

 

もちろん、たった一つでも構わないのですが、これだけ多様で多忙な日常生活の中で、三つくらいの課題すらないのもどうかと思いますね。かと言って、課題だらけの人は、解決能力があまりになさすぎるのかもしれません(笑)。いずれにしても、重要な順序で課題を評価していることも大切な習慣です。

 

他方、コンサルタントの世界で知られる「エレベータ・テスト」。ある時偶然、エレベータで社長にばったり会って、自身が責任者となっているプロジェクトの話題になったとしましょう。社長に説明できる時間はおおよそ30秒くらい。ここで簡潔かつ要領を得た説明ができるでしょうか。さらに関心をもってもらったり、決済を仰いだりできれば、ベストです。一般的にはここでも「三つ」の説明が望ましいとされます。ひとつ目は結論。順調なのか、逆境なのか、メクラ印を押させてもいいのか、あらたに何かの支援を要請するのか、ズバリと伝えたいところです。二つ目が全体像。社長とは日々色々なことに携わっているはずで、こちらの案件のことを忘れてしまっているかもしれません。したがって、時間的な経緯、事業の全体像、数字の意味合いを簡潔に示します。そして三つ目が単純化して話すことです。ゴチャゴチャした説明は誰も好みませんね。

 

上述二つ目の「全体像」の中で唯一注意したいのが、「ボトルネック」についての説明です。一般的にビジネスとは、既存事業者より優位か、誰も実現させていないものを実現させていくプロセスです。それを目指すがゆえに、競争に勝利し、顧客の支持を獲得できるのです。しかし、それを妨げるものが必ずあるはずです(でなければ、とっくに実現させていたでしょう)。それを見つけ出し、経営資源を用いて解決する作業が、ビジネスの核心です。ボトルネックがあれば、ビジネスモデル全体がそれに引きずられて、効率を発揮できません。このボトルネックを架け橋にして、二つ目の「全体像」から三つ目の解決策へと説明をつなげ、できる限り「単純化」して示すことです。これがビジネスマンに求められる「エレベーターテスト」です。

 

studyhacker.net

冒頭の「つかみ」で相手の心をつかむことが説明を成功させるためにとても大きな役割を果たします。質問やキーワードで興味を引いたり、最初に結論をはっきりさせたりすることで、話の全体像を頭に描いてもらうようにしましょう。それにぴったりなのが「新聞型」トークです。新聞コラムの「見出し」→「リード」→(必要があれば)「本文」にあたる決定までの経緯を話しましょう。

 

地頭の良い人は「簡潔な説明」が上手すぎる | リーダーシップ・教養・資格・スキル | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

一度、自分のプレゼンを振り返ってみるのもいいかもしれません(画像:『まんがでわかる 地頭力を鍛える』より転載。作画:汐田まくら)

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本書にはマンガ版も登場しています。「相手の視点から」言葉を始め、しかも、「ポイントは3つあります」などと相手がメモをとりたくなるような示唆を行うと効果的です。これは逆に言えば、話に終わりがあり、相手の集中力を萎えさせない効果もあります。要するに何なのか、それを明確にしておくべきですね。話を戻しますが、「地頭力」とは、ざっくりと物事をつかみつつ、ゴールをきっちりと見据えながら、相手にも通用するロジックでゴールへの道を描く、そんなチカラのことです。ざっくり、きっちり、ロジカルにと形容されています。ざっくりとは物事を単純化させることです。きっちりとは「仮説を立てる」ことですが、ゴールを意識しつつも、仮定として置いたものを明らかにすることです。ロジカルとは、皆さんが共通で使える(いわゆる)フレームワークを使うのが分かりやすいと思います。この3ステップの手法を学ぶことが、地頭力を鍛えることになります。

 

地頭力が良ければ、いつも頭の中は整理されており、流れ星を見ても、さっと三つくらいのお願いは出てきそうなものですね。