なぜ、産業革命はヨーロッパだったのか
「16世紀が始まった頃、ヨーロッパが将来世界の支配者になる」など、誰が予想できただろうか。言われてみれば、その通りだ。当時、ユーラシアには、東に中国、西にオスマン帝国、そしてインドでさえも、その生活水準はヨーロッパに劣らかなったとされる。
近代ヨーロッパの形成: 商人と国家の近代世界システム (創元世界史ライブラリー)
- 作者: 玉木俊明
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 2012/08/21
- メディア: 単行本
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また、16世紀には、イタリアの都市国家の方がイギリスより進んでいたし、17世紀になると、オランダこそヨーロッパ経済の中心になっていたとされる。上掲書は、このような問題提起で始まる。しかも、大航海時代を通して、ヨーロッパは中国やインドを必要としたが、向こうは必ずしもヨーロッパを必要としなかった。
その後、イギリスにて産業革命が起こったのはなぜか。
上掲サイトによると、複数の要件が絡んで産業革命に至ったとされる。もう少し、全体を通して、流れで見るなら、NHKの高校(歴史)講座が分かりやすい。
インドからの木綿製品の輸入がきっかけで、イギリス内の毛織物産業が大打撃を受けた。そこで、効率を高めるために、水力・蒸気力による機械生産が始まった。機械需要が増せば、鉄鋼需要も増加した。決定的となったのは、世界中の植民地を利用し、安価な原材料供給元と、イギリス製品の広大な市場を同時に確保したこと。こうして、イギリスが工場としての役割を鮮明に担うようになったことから、「世界の工場」と呼ばれるようになった。(次回へ続く)
産業革命は、労働者とエネルギーとの絶妙な関係性によって生まれた - 夜明け前の…